【5本分？6本分？ファイザー製ワクチンを接種に必要な注射器のニュースに対する考察】

2021.02.18: 事例研究・ニュース分析

皆さんこんにちは、高島平の板橋区議会議員内田けんいちろうです。私は2週間に一度、個人的に政策研究の為、勉強会を開催しています。本日は勉強会で検討したご意見についてお伝えしたいと思います。

今回お寄せいただいたご意見は、ワクチン接種に必要な注射器についてでした。特殊な注射器を利用することで、貴重なワクチンを5回→6回に増やせるというニュースを見て、ご意見をお寄せいただいたものでした。

※本記事は、リリースされているニュースや新聞記事を調査研究のきっかけとして紹介し、執筆時点での個人的な見解を述べたものです。

1 5本分？6本分？ファイザー製ワクチンを接種に必要な注射器
- 1.1 ご紹介いただいたニュース記事URL
- 1.2 記事の概要
2 研究会内での考察について
3 ワクチンは5回取れるのか6回取れるのかニュースを受けて

5本分？6本分？ファイザー製ワクチンを接種に必要な注射器

今回お寄せいただいたご意見は、ワクチン接種に必要な注射器についてでした。特殊な注射器を利用することで、貴重なワクチンを5回→6回に増やせるというニュースを見て、ご意見をお寄せいただきました。

ご紹介いただいたニュース記事URL

東京新聞 https://www.tokyo-np.co.jp/article/85023

中央日報 https://news.yahoo.co.jp/articles/10b2cdac6bf71776164777f692fcfb1bb1d51eb0

記事の概要

米国ファイザー社製のワクチンの接種が日本でもいよいよ始まろうとしている。

当初、このワクチンは１瓶で５回分の接種が可能とされていたが注射針と筒に残量が生じてしまうことが判明し、残量を最小に抑えた特殊な注射器を使用することで１瓶あたりの接種量を６回に増やせるとの指針がファイザーから発表された。

しかし、厚生労働省は昨年末に上記発表を受けても注射器の導入に動かなかったため、目前となって接種を受けられる人員が当初よりおよそ20%減(約7200→約6000万人)のものになるという。

研究会内での考察について

初めにお伝えさせていただきますと、現段階で板橋区議会議員である私の元で得られている情報では、ニュースで得られるもの以上の情報が無いため、考察を加えることしか出来ませんでした。

正確な情報は首相官邸ホームページをご覧いただければと存じます。

新型コロナワクチンについて・首相官邸ホームページ
 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html

意見

勉強会には現役の大学生にも参加してもらっているのですが、

昨年末に発表があったにもかかわらず、厚生労働省内部では誰も言い出さなかったのだろうか。

今からでも日本国内の中小企業等が残量を最小に抑えた注射器を生産できないか動き始めるべきではないだろうか。

このような意見が出ていました。

ニュースを読んだ上での、自分の考察。

ニュース記事の中で「１瓶あたりの接種量を６回に増やせるとの指針がファイザーから発表された。しかし、厚生労働省は昨年末に上記発表を受けても注射器の導入に動かなかった」とありますが、情報が入ってきたタイミングが重要になってくるのではないかと思います。

Q.6回に増やせる特殊な注射器はすぐに入手できるものだったのか？

Q.日本国内の接種に必要な特殊な注射器の数を入手難易度と、ワクチン自体の入手難易度はどちらが高いのか？

Q.入手の為の価格と難易度、技術的な問題、注射器自体の品質

など、短期間で調査・解決し行動を移す必要があったのではないでしょうか。ファイザーより、どのタイミングで情報が入ってきたのか情報ソースを見つけることができませんでしたが、そのタイミングも重要で難しい判断であったのだと思います。

そもそも、ワクチンは5回分として製造されていたところ、欧州やアメリカにおいて医療従事者達が接種をする中で、容器には5回分と書いてあるが、6回分取れそうなほど残っていることに気がつき、残さず使い切りたいと考えたところからこの話題が始まったようです。

当時、ファイザー社は「5回分」を前提としていたわけで、多少残っていたというのも、余分にいれておくことで万全を期したのだと思います。（ぎりぎり5回分で足りないようでは問題になりそうですから）

6回分取れることを発表EMA

どこが最初に6回分取れると言い始めたのか、情報ソースがはっきりとしなかったのですが、現段階で私が見つけることの出来た情報が、欧州連合の機関である欧州医薬品庁（EMA）の1月8日発表。

https://www.ema.europa.eu/en/news/extra-dose-vials-comirnaty-covid-19-vaccine

Extra dose from vials of Comirnaty COVID-19 vaccine

News 08/01/2021

EMA’s human medicines committee (CHMP) has recommended updating the product information for Comirnatyto clarify that each vial contains 6 doses of the vaccine.

In order to extract six doses from a single vial, low dead-volume syringes and/or needles should be used. The low dead-volume syringe and needle combination should have a dead volume of no more than 35 microliters. If standard syringes and needles are used, there may not be enough of the vaccine to extract a sixth dose from a vial.

If the amount of vaccine remaining in the vial after the fifth dose cannot provide a full dose (0.3 ml), the healthcare professional must discard the vial and its contents. There should be no pooling from multiple vials to make up a full dose, and any unused vaccine should be discarded 6 hours after dilution. Further information on all the steps for using Comirnaty is available in the updated product information.

The company that markets Comirnaty has published a list of low dead-volume syringes and needles with relevant suppliers. This list is available on their website which can be accessed via the QR code on the vial tray label and in the package leaflet.*

Comirnaty is a vaccine for preventing coronavirus disease 2019 (COVID-19) in people aged 16 years and older. It was authorised in the EU on 21 December 2020.

つたない翻訳で恐縮ですが、翻訳を要約しますと。

1つのバイアルから6回分を抽出するには、廃棄の少ないシリンジおよび/またはニードルの注射器を使用する必要があります。標準の注射器と針を使用する場合、バイアルから6回目の接種を抽出するのに十分なワクチンがない可能性があります。

5回目の投与後にバイアルに残っているワクチンの量が全量（0.3 ml）を提供できない場合、医療専門家はバイアルとその内容物を廃棄する必要があります。全量を構成するために複数のバイアルから集めてはならず、未使用のワクチンは希釈後6時間で廃棄する必要があります。

これを受けて、特殊な注射器を求める動きが始まったのではないかと思います。

ワクチンは5回取れるのか6回取れるのかニュースを受けて

最後に個人的な見解としては、5回分が6回分になることは、接種可能人数が増えることであり、新型コロナウイルス感染症拡大抑制のために、良いことだと思います。

しかし、ファイザー社など関係機関の正式発表を受ける前までは慎重な判断をせざるを得なかったものと思います。

ニュースによっては、「注射器を間違って用意したことでファイザーワクチンの接種を受けることができる人員が２０％近く減る」と紹介しているニュースもありましたが、私の見解としてはそうではなく、「そもそも5回しか取れないものを、6回取る方法が見つかった」ということです。

発表後の動きですが、ワクチンと特殊な注射器、どちらのほうが入手難易度が高いのか？というところが課題となるのだと考えます。

特殊な注射器の国内生産の動きなどもあるようですが、医療機器ですから、安全性がしっかりと確認できた上で進めることが大切なのだと思います。今後の動きを注視していきたいと思います。

活動報告

【5本分？6本分？ファイザー製ワクチンを接種に必要な注射器のニュースに対する考察】